| 群像社について
群像社は1980年に3人の株主(浅川彰三、宮澤俊一、五月女道子)によって創立された出版社です。
当時は日本に紹介されることが少なかったソ連(ロシア)の現代文学を紹介することに力を注ぎ、
「シリーズ・現代のロシア文学」の刊行を開始し、季刊雑誌『ソヴェート文学』の発行元となりました。
ソ連の文学・ロシアの文学
1980年当時、今の「ロシア」は「ソ連(ソヴィエト社会主義共和国連邦)」あるいは「ソヴィエト」という国名でした。
社会主義政権下で、文学に対する規制も強く、
ソルジェニーツィン、シニャーフスキイやブロツキイといった亡命文学者たちに注目が集まり、
体制派の文学、反体制派の文学という色分けがなされていました。
1970年代のモスクワで、出版社の翻訳者として勤務した群像社の設立者たちは、
ソ連という体制の中に身をおきながら、19世紀以来のロシア文学の伝統をひきつぎ、静かに、しかし力強く作品を書きつづけ、多くの読者たちの信頼を受けている作家たちがいることを肌身に感じて日本に帰ってきました。
群像社の最初のシリーズが、「現代のロシア文学」と銘打たれたのは、体制・反体制というレッテルではなく、
政治の動きよりも深く長く人々の心をつかみつづけてきた「ロシア文学」の存在を日本に伝えようとしたからでした。
ロシア文学 20世紀から21世紀へ
ソ連の体制が崩壊し、ロシアはまた新たな時代に入りました。
文学の世界でも新しい作家の名前がつぎつぎと挙がるようになり、
作品の傾向もじつに多彩になっています。
一方で文学そのものの位置づけが変わりつつあるという憂いを語る人もいます。
群像社の「現代のロシア文学」シリーズは第1期第2期各10巻で刊行を終え、
現在は新シリーズとして「群像社ライブラリー」を刊行し、最新の文学から20世紀の名作・傑作を
手にとりやすいかたちで出しつづけています。
また、ロシア文学の底力となって、現代の人びとの心にいまなお響き続ける名作を紹介する 「ロシア名作ライブラリー」や、ロシア文学案内になるような新たなシリーズ・エッセイの刊行もはじめています。
群像社は、設立者のうち二人(宮澤俊一、五月女道子)がすでに故人となり、
2000年には十数名の株主の出資に支えられて、新たな会社として再出発を果たしました。
代表者一人ですべての業務をおこなう「一人出版社」ではありますが、
それを支えてくれる<群像社友の会>の会員によって
小さくても深みのある専門出版社を旨として活動をつづけています。
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